SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


考え、想像した先の「なぁるほど~、そうだったのか」
このプロセスが大事

この日は楽しみなことがありました。それは,湯山先生の童謡の楽譜が東京のカワイ出版本社から届くということです。宅配便で,音楽プラザに届くように手配しました。

午前中に届く約束なので,9時30分の練習開始時点では楽譜はありません。そこで,ある作戦を考えておきました。その作戦とは,メロディーを「ラララ」で歌って音を取ってしまい,覚えたメロディーに,どんな歌詞がのっているのか,想像してもらおう…というものです。楽譜を手渡してしまったら絶対にできない練習です。

使った曲は「きいろいちょうちょ」。実に魅力的な,温かみを感じる名旋律です。音を取ってしまうのは本当に速い。で,問いかけてみました。最初の4小節に嶋田先生が示した例は,こんな感じです。

♪そらに,きらきら,おほしさま

どんな詞だって良いわけですから簡単かと思いますが,そうではない。予想通り,誰も手を挙げません。たった4小節にのせる,平仮名なら10~15文字だけなのですが,詞を作るって,とってもムズカシイ。

いちおう,用意しておいた下品バージョンも披露します。

♪バカめ,アホたれ,くそったれ

「こんな詞は,ありえんだろう?」と言って子どもたちを笑わせて,「さて,どんな詞がのっていると思う?」と再度問いかけます。

しかし,先生も本気で作詞の指導をするつもりではなかったのです。メロディーをつかみ,先生に何度も促されて「え~,どんな詞なんだろう…。わかんないよ~」と本気で迷い,考える。それをやってほしかったのです。

考えること。分からないことを想像しようとすること。これをやってから,その詞を読むのと,やらずに読むのとでは,共感の度合いが全く異なる。

前者なら「なぁるほど~」とか「そうだったのか」となるのに対して,後者は「あぁ,そうか」に止まってしまう。その差は,計り知れないほど大きいのですよ。

で,「きいろいちょうちょ」の歌詞は

♪だれに もらった きいろでしょう

♪きいろい ちょうちょ ひらひら ちょうちょ

♪菜の花 たんぽぽ それとも お月さま

♪いえいえ かあさん かあさんからよ

その後,後半は届いた楽譜を使って,11曲全てを一通り歌うことができました。

これで,第19回定期演奏会で使用する全ての楽譜がそろいました。さあ,これからが面白くなるぞ!

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