SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


ふつうの人が気が付かない美しさって、あるでしょう

いよいよ2009年のスタート。

場所が音楽プラザではなく、スタジオあいということで、会場を間違える子がいるのではないかなあ…と心配していました。あるいは正月明けで旅行など…そんな事情もあるかなあ。その心配が的中したのか、集まったメンバーは9人(!)ということで、そんなことにめげる嶋田先生ではない。ピアノの回りにイスを9つ並べて、さあ、はじめましょう。と、スタートしたら、ひ~とり来た。ふ~たり来た。イスを並べなおして再スタートすると、また、ひ~とり来た。ふ~たり来た。という感じで、最終的には20数名になりました。

この日は、新しいパートを発表しました。各パートとも上・下まで明確にしました。現有のメンバーで、やや下の方(つまりメゾ下・アルト)を厚くしてあります。これは、今後、新入団員を迎えるにあたって、その新入団員は小学生である確率や、初心者である確率が高いですから、ソプラノ側に「空き席」を多めにしてあるということ。ですが、とりあえず2月15日の青少年コンサートまでの暫定ということにしておいて、「どうしても、こっちのパートになりたい」という希望は聞きますから、何か希望がある人は、嶋田先生に「個人的に」教えてください。

さて、その新しいパート編成で歌ってみると、我田引水になるかもしれませんが、非常に良い音がする。力むことなく自然なフォームで声を出すだけで、とても良くハーモニーを響かせることができました。やっぱり、一人一人の声を調べただけのことはあります。ヒッヒッヒッ。で、去年の終わりから努力している、ハーモニーの力・和音感覚を磨くという課題の続きを行いました。新生、生まれ変わった合唱団「空」ですが、もう「ド・ミ・ソ」のハーモニーなんか、できて当たり前の世界です。「ド」から「ファ」を取ることも、もう100点でしょう。

今、やっているのは、「ド」を根音にして「ファ♯」を取る(専門的には「増4度」と言います)とか、「ド」を根音にして「シ」を取る(専門的には「7度」と言います)とか、「ド」を根音にして「ソ♯」を取る(専門的には「増5度」と言います)など。これらの「音の幅」というか「音の感覚」が備わってくると、その辺に鳴っている信号の音だとか、テレビのバックミュージックとか、ようするにどうだっていい音が、みんな意味のある「音楽」や「和音」として聞こえてくるようになるのだよ。

ふつうの人が気が付かない美しさって、あるでしょう。ピカソやダリの絵だって、あの美しさを本当に感じられる人は少数派でしょう。それと同じレベルの話。救急車のサイレンも、小鳥の声も、電車の音も、ふつうの人が「気が付かない音楽」であり「音の美しさ」です。まあ、そんな小学生や中学生が育ったら、それは大変にオタッキーな、千人に一人っていう感覚ですが、でも身に付けていて損になることは絶対にないし、合唱を楽しむためには「あった方がいい力」であることは間違いありません。

やれ「増4度」だ、やれ「増5度」だ、やれ「7度」だなんてことを、こうして文字にして書くと、いったいどういう練習なんだ?と思うでしょうし、このHPを見てくださっている合唱関係者は、子どもにとっては辛い練習ではないか?と思うでしょうね。しかしながら、そこを笑いながら行っていくのが楽しい。ヒントは「ゲゲゲの鬼太郎」です。まあ、練習に参加した人でなければ分かりませんね。興味のある方は、見学にいらしてください。

曲としては、楽譜なしで「地球はひまわり」をやりました。この曲は素晴らしい曲です。そして「鮎の歌」から「雉」と「わさび田」と「鮎の歌」。この曲、堀内先生の言葉を借りれば、湯山先生が一番油の乗り切った時代に書かれた「傑作」ということですが、本当によく書けている音楽です。コーラスにもピアノにも、全ての音に「意味」があり、余計な音や無駄な音は一つとしてなく、なくてはならない音は全て入っている。そして、メロデイーが魅力的でハーモニーは美しい。嶋田先生は、この曲を知って20年以上になりますが、今でも新しい発見があり、そして、この日も集まったメンバーにいろいろ伝えました。その伝授(?)に、今日も見事に応えてくれるメンバーたち。そして今日も、嶋田先生に「ああ、あと10分あったら、さらに次の段階の、オモシロイことができるのに。残念だ。終わります」と思わせてくれるメンバーたちでした。

また次回、オモシロイことをいたしましょう。

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