SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


「まためぐる春に」の構成は

【令和元年6月15日(土)】
24回目の出場となった愛知県合唱連盟合唱祭での「雪はりんりん」は見事な演奏でした。早くもHPで聴くことができますが、みなさんの感想はいかがでしょうか。
さて今日は「海と祭りと花の歌」の全曲を通したいと思っていました。前回のノートにも書きましたが、「相模磯づたい」と「ちょうちん囃し」はかなりの水準になっていて、だから残るは2曲目の「あじさいと少女」と5曲目の「まためぐる春に」です。荒削りのザックリ表現で良いので全曲を通すことができれば、みんなの意欲も高まることでしょう。
というわけでイキナリ「あじさいと少女」からスタート。例によって全員で全部のパートを歌い、高い声から低い声までカバーする発声練習を兼ねながら、しかも聴いた音をすぐに声に出して再現するというソルフェージュの力を養い、合わせて音取りとハーモニーの力を高めようとする欲張った練習です。欲張った練習というよりも「効率の良い練習」だと自負しています。
「空」の発声練習は目標とする楽曲を使ったものであり、「犬のおなかがアハハハハ~」とか「あくびが出るよアアアア~」などというバカバカしい曲をやっているヒマはありません。
「あじさいと少女」は4番まである構成なのですが、ト長調(1番2番)→変イ長調(3番)→イ長調(4番)と半音ずつ高くなっていく転調と、1番と2番の間に「ここらで降りよか小涌谷…」という異なるフレーズが挿入されていることを理解してしまえば、歌う子供に無理な負担を課さない(プロフェッショナルな過酷な練習を求めない)湯山先生の作曲方針のおかげで、自然にドンドン歌い込みが進んでいきます。
50分くらいで荒削りではありますが全曲を通してキレイにハモることができました。
ここで嶋田先生のスケベ心が出てしまい、「1曲目から4曲目までを通して歌いましょう。曲と曲とのつながりを感じ取るために…」と言ってしまいました。自分の予定では5曲目まで通して…と思っていたのに、「あじさいと少女」がことのほか効率的に進んだものですから、とりあえず4曲目「雪はりんりん」まで通すことを求めてしまった。
みんなは見事に「相模磯づたい」「あじさいと少女」「ちょうちん囃し」「雪はりんりん」を歌い切ってくれました。ありがとう。
しかし結論から記すと、この1~4曲目を通したことで休憩後の時間が不足してしまい、5曲目「まためぐる春に」を完結させることができませんでした。時間の配分を間違えました。

休憩後は「まためぐる春に」。これは大曲で160小節を超える湯山先生渾身の傑作です。
5小節目「戦いに消えた城よ今…」から19小節目「まためぐる春に咲く」のフレーズをAとします。
22小節目からの「誰が真昼の幻を…」をBとします。
そして34小節目「伊豆に湧き」からの戦いの音楽をCとしましょう。
そうすると1番がABC。
2番はBCとなります。
3番は「空に開くソメイヨシノ」という新しいDのフレーズ。
85小節目「その北条が滅びる時を」がEのフレーズ。
そして4番が再びD。これに合わせて「かげろうか笛の震えか」という新しいフレーズのF。
そして5番に再びAのフレーズが戻ってきて終結部の新しいGは「ああ小田原城」です。整理すると、
1番はABC
2番はBC
3番はDE
4番はDF
5番はAG
となります。
時間がかかったのはE「その北条が滅びる時を」とF「かげろうか笛の震えか」です。何しろここだけにしか出てこないフレーズで全員がほぼ初見。嶋田先生も根性で「全員が全部のパートを歌う」という方針を貫きましたが、魅力的なフレーズであるだけにキレイに歌うためにはナカナカに手強い。みんなの必死のガンバリもあって何とか切り抜けたものの、終結部Gの「ああ小田原城、海からの風、戦いのない城にやさしく」までをハモらせたところで時間切れ。残念無念。
たぶん前半の練習で1~4曲目までを通していなければ「まためぐる春に」の終結部まで通せたと思います。1~4曲目までを通して歌ったことにはそれなりの意義もあり、絶対に無意味な時間ではありませんでしたが、う~ん、授業の時間配分って、ムズカシイですねぇ。
しかしメンバーの集中力は大したものです。2時間と少しでほぼ全曲を歌い上げたのですから、授業の(練習の)効率から言えば、そんじょそこらの合唱団では考えられない効率です。普通に通してCD(コンパクトディスク)を聴くだけでも25分かかる組曲なのですから。
今日もメキメキと力を付けてくれた「空」のメンバーでした。みなさんの協力とガンバリに拍手を送ります。

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