【令和元年５月１１日（土）】
今日は「雪はりんりん」を歌おうと思っていました。集まったメンバーが何人であろうとも、パートのバランスがどうであろうとも、集まったメンバーの一人一人が「雪はりんりん」に対する自信を深めてくれればそれで良し…と思っていました。
今年は６月１日（土）に自分の学校の運動会があり、翌週の８日（土）が合唱祭本番ですから、嶋田先生に残された時間は今日と来週18日（土）と25日（土）の３回です。
嶋田先生が抜ける６月１日（土）も優秀なスタッフが揃っていますから練習の効率は変わりないとしても、５月25日と６月１日はほとんどの小学校が運動会を計画しており、抜けざるを得ないメンバーに今のうちに表現を伝えておく必要がありました。
練習を開始すると、とても柔らかい、温かい声が響きます。音程はとても正確で、１番「聞こえないほどの…」と２番「梅の木に似合う…」までは楽譜を見ないで歌いましょう…と要求しましたが、楽譜を閉じても生み出されるハーモニーには少しの狂いもなく、むしろ表現が高まってきて嬉しく思いました。
今日は特にソプラノの声が柔らかく美しく、何度も「もう少し乱暴に」「もう少しキタナくても良いよ」「もっと強く歌って」などと要求しました。
柔らかい声、美しい響き。これは素晴らしい武器であり、合唱団「空」が持っている伝統的な力です。ですけれども、歌う曲によっては柔らかい声よりも乱暴なキタナイ声の方が良い場合があります。
34小節目「それにしても曽我では」から63小節目「イヤー」まで、いろいろな声が要求されていて戸惑いも出てくることは無理のないことです。
「凛々しいこと」「かまくらの若武者ぶりか」「小袖よ」「凛と咲く」などは強くて固くて乱暴な声が良いと思います。逆に40小節目の「アー」や「遠い日の遠い世界よ」や55小節目の「降る雪に」などは可能な限り柔らかい声で歌いたい。
だから、たとえばソプラノは「アーアー」と柔らかく歌った直後に「凛々しいこと」で固く歌わなくてはならないことになり、その声の使い分けに目を白黒させているメンバーがいたことと思います。
ですが、こうも言いました。
先生も小学校教師のハシクレですから、小学校でどのような授業が主流になっているかは誰よりもよく理解しています。小学校の運動会や卒業式の直前練習では「大きい声で歌うこと」が最重要視され、歌詞の意味や曲の背景にまで指導が言及されることは100％ありません。なぜかと言うと運動会で歌う子たちは合唱団ではないからです。
だから合唱団「空」のメンバーで「大きい声ならそれで良し」という歌い方をする子は一人もいません。これがレベル１。
レベル２は「美しく柔らかく」で全てをカバーしようとするという段階です。そもそも音楽は美しいものですから、それは間違った方法ではありません。ありませんが、しかしながら美しくない音楽もあるのです。乱暴な音楽もあるし、聴いていて吐き気がするくらい悲しい音楽もあるのです。新実先生の「白いうた青いうた」にもその片鱗があることは、メンバーには分かっているはずですね。
レベル３。固い声や柔らかい声、乱暴な歌い方や丁寧な歌い方、強い声や弱い声、それらを自由自在に使い分ける段階がレベル３だとするならば、合唱団「空」はレベル３を目指したい。「雪はりんりん」という楽曲はそういう曲なのです。
ですが「謡曲」に入ると見事な固い声。みんな、固くて強くてキタナイ声が出せないわけではないのです。何行か上に書いたソプラノの「アーアー」から「凛々しいこと」へのつながりのように、柔らかい声が一瞬にして固い声になる、そういう使い分け。これが十分ではない。とてもムズカシイことですが、来週も練習しましょう。
休憩の後は「誰も知らない曲をやりましょう」ということで「うみのこもりうた」を歌いました。全員が全部のパートを歌ってみるといういつもの方法です。途中で転調があるものの、ソプラノは１番から４番まで同じメロディーです。だからソプラノは簡単。アルトは３番と４番でハモる対旋律を歌いますが、これも湯山先生の特徴で無理のない対旋律ですからすぐに歌えました。トータルで15分で終わってしまいました。「空」の子は音取りは速いです。
次は「知らないメンバーがいる曲を教えてあげましょう」ということで「歌の広場」を歌いました。これも全部のパートを全員で歌い、ハーモニーを作ることができました。
残った時間で「ヨット」を歌い、「イルカの翼」の後ろから３曲をカバーすることができたことを報告しておきます。
来週は練習会場がフェールマミになります。ここはグランドピアノがありますから、また声の響きについてのトレーニングをしましょう。初体験のメンバーもいますから、とても楽しみにしています。よろしくね。
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