SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


平成30年最後の練習は3先生の曲で締め括り

【12月22日(土)】
素晴らしい成果のあった平成30年も間もなく暮れようとしています。歌ってくれたメンバーと支えてくださった父母会、協力してくださったスタッフ、そして湯山先生、大中先生に大感謝の思いです。
今日は、集まったメンバーが何人であろうとも、パートのバランスがどうであろうとも、大中先生、新実先生、湯山先生の曲を歌おうと思っていました。
大中先生は「過去の人」ではありません。日本中の合唱団で歌われ続ける「今を生きる人」です。合唱団「空」もその一翼を担いたいものです。
選んだ曲は「うたにつばさがあれば」の4曲目「きみとぼくと地球のうた」です。団歌となっている「うたにつばさがあれば」とは打って変わった元気の良い曲です。
まずは全員でメロディーを確認。アッと言う間にメロディーを掴んでくれるメンバーは、本当に力を付けてくれました。メロディーを掴んでしまえば後はハーモニーを付けていくだけです。大中先生の曲はハーモニーパートも実にメロディックに作られていて、自然に歌うことができます。そのおかげで何と、全員が全てのパートを全部歌ってハーモニーを作ることができました。
新実先生は大中先生に弟子入りを頼んだくらいの大中ファンで、大中先生が30年指導されていた合唱団コール・メグ(大中先生の指揮で大中先生の作品だけを歌う合唱団でした)の団員でもあった人です。
選んだ曲は「盲導犬S」。これは前回も歌いましたから音は良く取れています。全員で上のパートと下のパートを確認し、もう一度全員で下のパートを歌いました。なぜもう一度歌ったかと言うと、下のパートは歌詞が全部「ルルル」だからです。これは提案(決定ではない)なのですが、嶋田先生としてはアルトの子にも歌詞を歌ってほしい。だから下のパートを「ルルル」ではなく、上のパートと同じ歌詞を付けて歌ってもらったわけです。一つの試み、実験でした。楽譜には「太古の砂漠で」「いつかは二人で」などに嶋田先生のメモがあると思いますが、それを全ての部分で試みたわけです。
結果は非常に上手くいったと思います。聴いておられた浜田先生や恒川先生にも意見を聞き、メンバーにも意見を聞いて結論を出したいと思っています。
それにしても「盲導犬S」の世界はメンバーの心の中に相当なレベルで「具体的な絵」として描かれているようで、それは歌い方を聴けばすぐに分かります。本当に嬉しいことです。
休憩の後は湯山先生。よっぽど「イルカの翼」から選ぼうかな…と思いましたが、思い切って「海と祭りと花の歌」から「雪はりんりん」を歌うこととしました。今日集まったメンバーは何でもやってくれそうな手ごたえを前半の練習で感じていたからです。
予想通りドンドン歌ってくれました。決して多いとは言えない人数ですが、嶋田先生の頭の中にある声とハーモニーが十分な響きとして再現されていきます。しかも、全てのパートを全員が歌うという、例の3倍時間のかかる方法をつかって…です。歌うパートを固定して担当するパートだけを歌っていけば1/3の時間で済むのですが、それはしない。
なぜなら今日の(これからも当分は)練習の目的は、「雪はりんりん」なり「きみとぼくと地球のうた」なりを仕上げるための練習ではなく、集まったメンバーの「合唱力」を高めるためだからです。だから全てのパートをドンドン歌う。「5000回マチガエても良いよ」という指示を何回したことか。
3倍の時間をかけて最初から最後まで通してハーモニーを作ることができたのですから大したものです。嶋田先生も、これほど効率よく全曲を通して歌えるとは予想していませんでした。
この曲は初めて取り組んだ初見の曲だったので、参加できなかったメンバーには何のことか分かりますまい。参加できたメンバーに少し説明したことは、この曲は蘇我兄弟の仇討をテーマにした曲であるということです。日本には「仇討」という概念があり、「父や母の(あるいは主君の)仇を討つ」というのが歌舞伎や浪曲のテーマになっています。その日本3大仇討が
1.蘇我物語 『曾我兄弟の仇討』
2.荒木又右衛門 鍵屋ノ辻の仇討
3.赤穂浪士 吉良邸討ち入り
です。1は鎌倉時代、源頼朝も関わっている時代のことで、2と3は江戸時代です。
中間部に謡曲が出てきて「ただ一度の若い日を仇を討つために生きる 恐れと悩みを振り払い 耐え忍ぶ太刀は りんりんと鳴る鳴る」と謡わなければ(歌わなければ…ではない)なりません。「空」の最も苦手な表現かなと思っていましたが、意外や豊かな「謡い」が響きます。今のメンバーは知らないことを知ることとか、未経験のことを経験することに積極的で、吸収力がすごいと思います。
蘇我兄弟の仇討に関しては、興味があったら冬休み中にネットか何かで調べてみてください。オモシロイですよ。

楽しかった平成30年も終わります。来年はもっと楽しく面白い活動を展開します。
「空」関係の全ての皆様、本当にありがとうございました。来年も力を貸してください。よろしくお願い申し上げます。

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