SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


「絵のある歌声」

【10月27日(土)】
今日は たくさん集まってくれて ありがとう。午前中に授業があった小学校もあったようで、また受験のためにどうしても外せないテストがあったりして、フルメンバーとはいきませんでしたが、連絡なしの欠席は一人もなく、湯山先生もことのほかお喜びでした。サポートメンバーも集まってくれて、充実した時間を過ごすことができました。
スタートは「うたにつばさがあれば」から。とても美しくハモります。22年前、大中恩先生に「この曲を合唱団「空」の団歌とさせてください」とお願いした嶋田先生は我ながら、よくもまぁそんな図々しいことを言えたもんだ…と思いますが、しかし先見の明があったものだとも思います。
「向日葵の歌」も「ねむれないおおかみ」もよく歌えていて、安心して湯山先生をお迎えすることができました。
「向日葵の歌」では「頭の中に絵を描いてください。その絵にふさわしいと思う声を出し、そのイメージを生かすように歌ってください」と何度も何度もお願いしました。どんな絵が描けているか、みんなの脳ミソをホジクリ返して見ることはできませんが、みんなの身体から出てきた表現を聴くと、美しい絵が描けていることが確信できます。
午後からお見えになった湯山先生から、思いがけない言葉が出てきました。
「すばらしい!ステキな合唱団になりましたね」「とてもよく歌えています。今までで一番良いのではないですか?」
これは、みんながイメージを持って歌っている証拠です。決して嶋田先生の指導が良いからではありません。湯山先生は嶋田先生がどんな練習をしているか、毎回ご覧になっているわけではありませんから、「嶋田先生の指導が良いから」と仰いましたが、そうではありません。嶋田先生の指導に良い点があったとすれば、みんなが豊かなイメージを持てるように、あれこれとヒントを与えたことだけです。
みんなはそのヒントを受け止めてくれた。そして心の中に描いた絵を歌声として表現してくれた。その「絵のある歌声」を響かせることのできるみんなの感性こそホメられるべきであって、嶋田先生の手柄ではありません。
「絵のある歌声」だったから、その原点の絵を最初にイメージした作曲家の胸に響いたのです。おめでとう、みなさん。みなさんの心は豊かな感性で満ち溢れています。

いつもなら湯山先生は「まず、嶋田先生が指揮して聴かせてください」と仰るのですが、今日はいきなりご自身で指揮を取られました。これは計算外でした。自分で指揮して「つもった雪」の最後の部分で「上の雪さむかろなー」と歌ってもらい、「このように指導しました」と告白する予定だったのです。あるいは「空の鯉」は1番で「怒った感じで男性的に」と指揮しながら指示するつもりでいたのですが、それができませんでした。
これらの内緒話は、休憩の時にお伝えしました。また、夕食の時に話題にするつもりです。
「おはながわらった」では「わらった」の「わ」が短い…との指摘がありました。すごいものですね。全部お見通しです。
予定どおり、「はい。そのように短く歌うように練習してきました」「わ~らった…と聴こえないように表現しました」とお伝えしました。ここまでは予定どおりです。
その後がオドロキでした。「もう少し自然に歌えませんか?」とのご指導で、「わ・らっ・た」と軽く歌う表現を中止し、もとの歌い方に戻したのですが、すごく美しく「わらった」と聴こえました。これは驚きでした。
思うに、みんなの中に「わ~らった」と聴こえないように…という意識だけが残って、それで楽譜通りに歌ったところ、非常に自然な「わらった」という言葉が発音されたのだと思います。何も意識しないでただ歌うだけでは決して生み出すことのできない発音であり表現だったと思います。
楽しい瞬間でしたね。
では、湯山先生との夕食に行ってきます。みんなをもっとレベルアップさせることのできるヒントがいっぱいいただけることでしょう。
明日もヨロシクね。今日はよく寝てくださいよ。
それから明日、重大テストがあるメンバーは、がんばってくださいね。集中力で乗り切ってくださいませ。

Comments are closed.