SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


ふれあい合宿 3日目

【8月18日(土)】
合宿の最終日です。昨日の2日目は必要なこととは言え、「サウンド・オヴ・ミュージック」にほぼ丸一日を投入してしまったので、今日は絶対に「向日葵の歌」と「ねむれないおおかみ」に目鼻をつけようと思っていました。
ラジオ体操も省略して9時前に「向日葵の歌」の練習開始。恒川さんが仕事の都合上10時40分がリミットということが当初からの計画でしたので、鍵盤ハーモニカが多いうちにムズカシそうな曲を片付けようと思いました。で、組曲の後ろからスタート。「砂の王国」です。
第一声を聴いてビックリ。非常に充実した響きが朝イチにもかかわらず飛び出してきました。「向日葵の歌」を歌うこの時を待っていた…と言わんばかりのエネルギーを感じました。
「自分のお国のお山や川を」の部分を弾むように、リズムを強調して!という指示と、終結部のアルトが「ラララ」と歌い切った後の65小節目から、ソプラノは思い切りクレシェンドをかけましょう!という指示を出したくらいで(その指示もたった1度で実現してくれました)、次の曲に入ることができました。
「木」はソプラノにもアルトにも「お花が散って実が熟れて、その実が落ちて葉が落ちて、それから芽が出て花が咲く」の部分で「お花」「実」「葉」「芽」「花」という言葉をハッキリ表現するように言いました。「何がどうなる」の「何が」をハッキリと伝えるためです。これも一発でクリア。
後ろから始めたのは「向日葵」が心配だったからです。不安定な音程を3本の鍵盤ハーモニカで支援しようと思っていました。が、不安定な部分など無くドンドン歌が進みます。「おてんと様の車の輪、黄金のきれいな車の輪」を弾むようにリズムを強調。ただし「輪」だけはフワッと膨らんで拡がるように!という指示を出して、すぐにクリアです。
同じことを終結部の「今も黄金の車の輪」「ラララララララ…」でも指示しました。「ラララ…」とは言葉にならない喜びであるので、最後の「ラ」を「輪」と同じように、一番膨らむように…と、ムズカシい指示を出したつもりだったのですが、これも一発でクリアです。
こんな調子で、10時35分までに「風」まで歌い切ることができました。つまり8曲を歌い切ったことになります。
ここで休憩。恒川さんを拍手で送り出します。
休憩後は先に「ふしぎ」を歌いました。「ふしぎでたまらない」の「ふ」にテヌートが付いていますから、テンポを遅くしないようにしながら精いっぱい長く「ふ」と発音するように…。そして1番から4番までp、mp、mf、fと強くなっていきますが、これは声を強くするのではなく「発見した喜び」を強くするように…と説明しました。また21小節目、37小節目、53小節目、69小節目にあるクレシェンドとデクレシェンドを必ず実現するように…とも。そんなこと先刻承知の上ですよ…という感じで、これらの指示もクリアです。
「蜂と神さま」はソプラノに「~のなかに」という言葉が7回連続して出てきますが、これに細心の注意を払うようにお願いしました。そして、この部分をソプラノのメンバーが歌っている時、アルトの子たちは集中して聴いているんですねぇ。見る聴く歌う…が当たり前のようにできていて、ムダな時間は少しもありません。これはアルトが歌う時のソプラノメンバーにも全く同じことが言えます。
だから「向日葵の歌」は11時30分に終了することができ(それも予想以上のハイレベルで)、「ねむれないおおかみ」に突入です。
「ねむれないおおかみ」はP5上段のソプラノとメゾソプラノの「ルラルラ」を最後にデクレシェンドをかけるように言いましたが(これは音が高いのでムズカシイです)、難なくクリア。「一匹…二匹…三匹…四匹…」がppp、pp、p、mpになっていて「それでもおおかみ」がmfになっていますよ…という確認もクリアでした。ホント、音楽が手の内に入っているという印象です。
「山のワルツ」は3番の音程の確認と「ロン」「リム」をハッキリという指示(湯山先生が前回に出された注文です)を出しましたが、これもクリア。2曲を終えて昼食に入りました。

昼食後、1時からの予定を12時50分に先行させて「あめふりくまのこ」です。「お山に雨が」の「あめ」に付いているスラーとか「ふりました」の「た」に付いているメゾスタッカート(ほんの少し短く)とか「ふってきて」に付いているクレシェンドなどを指示しましたが、「そんなことは先刻承知」と言わんばかりの表現が続きます。
「おはながわらった」は「わーらった」と聴こえないように「わ」を少し短くして「わ らった」と歌うようにお願いしました(これもムズカシイ表現だと思います)が、すぐにクリア。
「おはながわらった」のパパ、ママ、兄さん、姉さん、赤ちゃんの歌い分けもクリアです。
「こんぺいとう」はロマンチックな前奏にダマされないように、積極的に強く歌おうと言いましたが、これもクリア。
「こわれたすいどう」は7小節目と15小節目のソプラノに、アルトの音も加えて歌うように確認しました。
「地球はひまわり」は「見たら」の「ら」と「できた」の「た」と「大地」の「ち」と「星は」の「は」が短くならないように…と言いました。2番にも3番にも同じことが言えます。
「コンコンクシャンのうた」は大変です。りす、つる、ぶうちゃん、かば、ぞう、それぞれのキャラクターを精いっぱい表現してくれましたが、まだまだ開拓の余地があります。配布したCDを聴いてイメージを高めてくれるようにお願いしました。
「夏の日」は音程の確認です。特に4番のアルト。かなりムズカシイ音程ですが確認はすぐに終わりました。
「夏の日」の詩のイメージを伝えるのを忘れました。この歌は父を亡くした子の歌です。セミが歌っていますが、これは天国から見守る父さんの声だと思ってください。
「赤い風船とんだ」はアッサリとしたテンポで。嶋田先生が指揮するとドロ~っとしたベタベタテンポになると思いますが、本番で指揮するのは湯山先生です。湯山先生のテンポは、みんなが思っている以上に軽快なものになるはずです。注文したのは3番。「赤い風船消えた」とありますが、これは消えたのでも無くなったのでもありません。「赤い風船」とは「愛」であり「思いやり」です。その「愛」が、みんなの心の中に入っていって目に見えなくなった…という意味です。そうイメージして歌ってくださいとお願いしました。
「いま生きる子どもマーチ」はスケールの大きな表現で、「こう歌いたい」という思いが既にメンバーの中に膨らんでいるように感じました。
ここで休憩を入れ、休憩中に最後の50分で何を練習するべきか、数人のメンバーに聞きました。すると「私のお気に入り」が不安だと言う。すぐに方針が固まります。

休憩後は驚くべき時間となりました。問題点を要約すれば、①メロディーを歌うパートがシッカリと役割を果たすことと②ソプラノとアルトにある「ラララー」のタイミングです。後ろから確認を進めます。まず練習番号Gから集中して確認し、それが終わったら練習番号FとG。それが終わったら練習番号E+F+G。それが終わったら練習番号D+E+F+Gという具合に進めていき、だから練習番号FやGは何回歌ったのでしょうか。15回くらいにはなったかな。
それを繰り返して練習番号Aに到達した時には、終結部がハモることハモること。すごい響きでしたね。

今年の合宿は、これまでの20年の歩みの中でも特筆すべき成果があったと思っています。
京都から駆けつけてくれたTさん、来月からの実習を控えたIさん、大学で忙しいHさん、浜田先生、恒川さん、高倉さん、そして万全のサポートをしてくださった父母会の皆様に深く感謝を申し上げます。
素晴らしい3日間でした。ありがとうございました。

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