SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


受験生のみなさん、心から応援しています

今日も「サウンド・オヴ・ミュージック(♪さわやかな山の夜明け)」から始めてしまいました。…しまいました、と言うのは、本来であれば集まったメンバーの人数や年齢、パートのバランスなどを見きわめた上で歌う曲を決めるのですが、そのような事情よりも先生の心の中にある「この曲を表現したい」という思いの方が強かった…ということを白状しておきます。
今日は嬉しいことに新入団員があり、その子のパートを決めなくてはなりません。簡単な自己紹介を交わし合った後、「なきわたる鳥の声は」という一節を歌ってもらいました。で、ソプラノに決定。集まっていた他のメンバー全員にも同じフレーズを歌ってもらいましたが、一人一人が今どんな声なのか、どのくらい進歩しているのかも確認することができました。
まずは、メロディーをキチンと歌うことから始めます。メロディーをキチンと歌うということは、カンタンなことと思うかもしれませんが実はそうではない。大変な努力とトレーニングが必要なことなのです。歌うだけならば幼稚園の子だって歌いますが、合唱を支えるメロディーラインとは(話を分かりやすくするために非常に乱暴な言い方をしますが)、カラオケバトルの歌番組に出演して90点取るくらいの正確な音程が必要ということです。それと響く声。
こう書いてしまうと、「じゃあ明日からカラオケに通って腕を磨いてきます」と言われそうですが、そこに相手の音に合わせてハーモニーを作る力や歌詞を正確に発音する力も加わりますから、単純に カラオケの力=メロディーをキチンと歌う力 ではありません。
まぁ、あまりムズカシク考える必要はなく、「サウンド・オヴ・ミュージック」のような曲を自分のイメージどおりに自在に歌うことができれば、この上もなく楽しいでしょうよ、と言うのが一番分かりやすいでしょうね。
そのイメージを膨らませるために、少し表現にも取り組みました。P13下段の「愛の歌」は思い切りクレシェンドをかけてみましょう。そして「口ずさむ心の歌 永遠にまた」はピアニシモでリタルダンド(だんだんゆっくり)のエスプレス(表情豊かに)です。P14下段にメゾソプラノとアルトの上昇音階があり、P15から同じメロディーが繰り返されますがここはフォルテ。そして「愛の歌」はクレシェンドしますが「口ずさむ心の歌」はフォルテのまま。「永遠にまた」の部分でゆっくりとデクレシェンドします。
そのようにメロディーを歌った後、提案をしました。嶋田先生としては、このEの部分とGの部分を同じ「ただ一人 丘に登り 懐かしい愛の歌 口ずさむ心の歌 永遠にまた」という日本語を繰り返すのではなく、Gの部分は英語にしたい。つまりEは日本語で歌いGは英語でうということです。そうすることで「sound of music」という歌詞を歌うことができ、このステージのタイトルを歌声に乗せることができるのですが、みなさんはどう思いますか?

な~んて話をしながら何度も何度もメロディーを歌い込む練習をしました。単純に5回繰り返して歌ったら飽きてしまいますが、クレシェンドをかけたりピアニシモにしたり、日本語で歌ったり英語で歌ったり、課題を変えることで飽きることなくメロディーを歌うことができました(わたしゃ飽きていたよ」と言う子がいたらゴメンナサイ)。
で、メロディーを理解し歌詞を理解し表現の可能性を体験したら、次は誰だってハモりたくなります。この曲は長いので、さすがに全部をハモらせることはできませんでしたが、Eの部分から最後まではハモらせることに成功しました。いつものとおり全員が全部のパートをった上でのことです。A~Dの部分のハーモニーは後日ということにしましたが、嶋田先生的には(嶋田先生が大好きな曲ベストテンに入るこの曲を)けっこうカッコよく歌えたと思っています。歌ってくれてありがとう…です。

休憩の後は「ドレミの歌」を歌いました。この編曲は無理なく自然に作られていて、音取りには時間はかからないと思いますが、それにしてもオリジナルのメロディーが非常にムズカシく、ちゃんと歌うことは決定的に大変です。「ドミミ ミソソ レファファ ラシシ」の部分など、この音程を正確に保ちながら4回も繰り返すなんて正気の沙汰ではありません。同じことが「ソードーラーファーミードーレー」「ソードーラーシードーレードー」にも言えます。春ごろに予定されている(?)合唱団「空」カラオケ大会では「ドレミの歌」を課題曲にしたら面白いかもしれません。「ドレミの歌」の音程項目だけで勝負して90点以上を出せるか。現時点では嶋田先生も自信がありません。みんなに隠れて、一度一人カラオケやってみようかな…。
ああでもない、こうでもないと練習しましたが、とにかく「ドレミの歌」は元気の良さと音程が勝負です。それ以外には歌詞への理解も共感もイメージの膨らみも必要がなく、誰でもパッと挑むことができますが、そうカンタンにはクリアできないというヤッカイな曲です。
ですけれども、歌って楽しいという意味では古今東西でも世界一を争うヒットナンバーですから、「あれ?上手く歌えないなぁ」なんていう場面でもメンバーの笑顔(苦笑だったかも)が溢れていました。クリアするハードルは高いけれども楽しんで歌えるという意味から考えると世界一の名曲ですね。

受験生のみなさん、調子はいかがですか?何だか楽しげなことばかりレポートしていて、みなさんの気持ちを考えると申し訳ないような気もします。何の手助けも支援もできないことに無力さとイラ立ちを禁じえません。心の底から応援しています。頑張ってくださいね。今の嶋田先生にできることは、受験生に春が来て戻ってきてくれた時に、少しでも楽しさがアップした「空」になっているように努力することしかありません。
この気持ちは、受験生以外の全てのメンバーの気持ちでもあります。
合唱団「空」で培った集中力が役に立ってくれますように祈ります。

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