SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


文部省唱歌集を新しくしました

【12月9日(土)】

先週は「ドレミの歌」だったので今日は文部省唱歌です。
文部省唱歌は老人ホームを慰問する時のコンサートプログラムとして、20年近く定着しているものです。小学校の音楽の教科書を使い(つまり中学生以上なら全員が知っているはず)、これにリコーダーを加えたり、繰り返しを工夫(1番2番までの曲なら1番2番もう一度1番と歌う)したり、歌いやすい高さに移調したりしますが、基本的には教科書をそのまま歌います。老人ホームで歌う場合、お年寄りたちが知っている曲を歌うことが大前提であり、湯山先生には申し訳ありませんが老人ホームで「北陸の子ども歌」や「駿河のうた」を歌っても意味はありません。
老人ホーム慰問コンサートの場合は(たいてい土曜日の午後に設定します)、コンサート当日の午前の通常練習1回だけを練習に充て、午前練習・午後本番という方法を取ってきました。
ゆえに1年以上合唱団「空」に在籍した子は全ての子が一通り経験済みで、いつでもどこでも歌える曲となっています。今回、4月21日のチャリティーコンサートで文部省唱歌集を1ステージとするのは、まさにこの貯金を生かすのが狙いで、現在は受験で練習に来たくても来られない中学3年生・高校3年生はもちろん、たとえば今は東京にいるOBが(趣旨に賛同して)当日だけコンサートに参加する…ということも可能にするためです。また、聴きにきてくれた友達が「知っている」「きれいだったね」「私も空に入りたいな」と思ってくれるようにするためです。
ためなのですが、少し新しい曲を加えました。今日、40人分印刷して配布したのは以下の曲です。
春の小川(3年生)
茶つみ(3年生)
富士山(3年生)
さくらさくら(4年生)(新)
とんび(4年生)(新)
もみじ(4年生)
こいのぼり(5年生)
スキーの歌(5年生)(新)
冬げしき(5年生)
おぼろ月夜(6年生)
われは海の子(6年生)
ふるさと(6年生)
です。これらは文部科学省が学習指導要領に定める共通教材であり、音楽出版・教育芸術・音楽の友など数ある教科書会社が必ず載せなければならない曲です。つまり大切な曲。言い換えれば日本中の小学校卒業者が知っている(はずの)曲なのです。
今回、文部省唱歌集をチャリティーコンサートのプログラムにする場合、(新)の曲も練習する必要があると考えました。これまでの老人ホームコンサートで「さくら」「とんび」「スキーの歌」を外してきたのは、乱暴な言い方をすれば嶋田先生のシュミであり独断です。なぜ「さくら」を外したのか…と真顔で問われれば答えようがありません。だから入れました。
詳しい人ならすぐに反論することでしょう。「まだ4年生に『まきばの朝』、6年生に『越天楽今様』がありますよ」って。
もし、そのように問われれば、嶋田先生は「いや、その2曲はあまりにも現代の小学生の感覚から離れた曲であり、歌唱教材としてではなく、鑑賞教材としてふさわしいものと考えます」と反論します。
チャリティーコンサートに全12曲を歌う時間があるかどうかは分かりませんが、可能な限り多くの曲を歌いたいと思います。

今日はこの12曲を全部歌いました。楽譜にある部分はモチロン、「さくら」や「茶つみ」「富士山」などは楽譜にないハーモニーも作りました。このハーモニーの話は、今日欠席していたメンバーも「ああ、あの部分のハーモニーだな」とすぐに察しがつくことと思います。
新曲の「さくら」について記しておきます。この曲は教科書ではたった14小節しかありません。みなさんが学校の音楽の授業でどのように歌ってきたかは知りませんが、生き生きとしたテンポでポンポンポンと歌うとあっと言う間に終わってしまいます。
この曲は「聴かせるために」料理する必要があります。これまでの老人ホームコンサートで「さくら」を取り上げなかったのは、この料理がメンドクサイからです。
「さくら」は世界的な目で考えれば日本を代表する曲であり、世界中に無限と言っても良いアレンジが存在します。嶋田先生は東海メールクワイアーでラトビアに演奏旅行した時に、名前も聞いたことのないラトビアの作曲家が編曲した「さくら」を聴きました。演奏したのはラトビアでも有名な女声合唱団で、東海メールクワイアーのために歌ってくれたのです。素晴らしく透明な声とハーモニーに圧倒されましたが、そのアレンジは「ニッポンはサムライとカタナとチョンマゲの国であり、紙で作ったドアのある木の家に人々が住んでいる」という感じの不思議なものでした。録音もビデオもありますから「聴きたい」って言う人には聴かせてあげますが、それは刺身をソースで食べるとかメロンに醤油をかけるとかいう感覚で、嶋田先生は聴きたくありません(笑)。
そのように無限にあるバージョンの中から、先述したように受験生が当日参加してもこなせる程度のアレンジを選ぶ必要がありました。
「さくら」は、まず教科書どおりにイ短調のユニゾンで歌います。みんなが授業で歌ったとおりに歌います。ただしメチャメチャゆっくり歌いますよ。
その後、2回目はニ短調に転調します。そしてハーモニーを付けます。どのようなハーモニーを付けるかは楽譜に記しておきましたので参照してください。今日の練習でもハモらせました(きれいにハモはハモりました)が、このバージョンが時間的に考えても、中3・高3の当日参加を考えてもギリギリの選択だと思っています。

もう一つのステージは「愛唱曲集(花は咲く・禁じられた遊びなど)」にする予定ですが、この曲をうたってはどうか?という具体的な提案を楽譜提出の上でいただいています。
預かった楽譜は次回の練習に印刷していきますから、みんなで歌ってみましょう。

受験生のみなさん、がんばってくださいね。心の底から祈っています。

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