SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


湯山先生、名古屋へ

18時17分、新幹線から降りてこられた湯山先生は、開口一番「いやぁ、前回の練習は素晴らしかったです。特に「北陸の子ども歌」がね」とホメてくださいました。そして「明日の練習が楽しみです」とも…。
夕食の時には「ドミソの歌」の構成に話が及び、ソプラノは薄い黄色、メゾソプラノはライトグリーン(緑)、アルトはライトレッド(赤)のスカーフを着用することとなりました。また、楽譜の説明にあるとおりの照明の演出を行います。
聴衆に対する歌い方の説明は湯山先生ご自身が担当されます。本番の歌唱では嶋田先生がアルトに入り、聴衆に対する指揮を補助することとなりました。湯山先生が何度も何度も前を向いたり後ろを向いたりして指揮することは大変なので、ずっと前を向いている嶋田先生が補助することを提案したのです。
あとは「北陸の子ども歌」に出てくる方言の話とか、東日本大震災の時に湯山先生のご自宅がどんな揺れ方だったかとか、さまざまな話題がありましたが、みんなに関係のある話は、あとは「「北陸の子ども歌」は前回とても良かったので、明日は「ドミソの歌」から始めようと思っています」というものでした。その場で早川さんが全員メールを打ってくださったので、ご確認をお願いします。

今日は港区の戸田川こどもランドという場所で「港区ふれあい祭り」というものがあり、嶋田先生の学校の音楽部の子たちが出演する関係で、朝の7時20分から学校に詰めていました。器楽合奏なので楽器をトラックで運びます。その楽器の搬出を見届けてからタクシーに飛び乗り、フェールマミに到着したのが11時。それまでの間、「童謡歌曲集」と「ドミソの歌」の練習を進めてくれたはずですが、みんなハイテンションで集中して練習ができた…と聞いています。ありがとうございました。

嶋田先生が到着して、ただちに休憩が終わり、「駿河のうた」と「北陸の子ども歌」を通しました。参加人数は多くはありませんでしたが、出てきた響きは本物です。それは「さくらえびの海」の第一声から分かります。一人一人がよく歌えている証拠です。
合唱というものは、その種目の特性上、ある程度の人数が必要です。嶋田先生の感覚だと少年少女合唱の場合、理想的な人数は50~60人です。では100人とか200人になると、もっと上手く聞こえるか…というと必ずしもそうではない。多けりゃ何でも良い…という話にはならないわけなんです。
100人を超えると一人一人をコントロールする指揮が難しくなり、早い話がアンサンブルが危なくなる。グスタフ・マーラーの名曲に交響曲第8番「千人の交響曲」という曲があり、その曲は約850人の合唱が必要で、嶋田先生も名古屋フィルハーモニーの演奏で歌ったことがありますが、本番はもうハチャメチャと言って良い。揃わないんです。高校生くらいなら分かると思いますが、音は1秒間に約300m進むので、300m先にいる人には「おい」と呼びかけた声が1秒後に届くのです。やまびこの効果ですね。で、オーケストラと合唱団が合わせて1000人もいると、最前列にいる合唱団員と最後列にいる合唱団員とでは聞こえてくるオーケストラの音に時間的なズレが発生し、オーケストラの音を聴いて歌っている限り絶対にコーラスは揃いません。850人が練習を積んでトレーニングすれば解決するという話ではなく物理的に起こる現象です。では嶋田先生が名フィルの演奏会で、どう歌ったかという話は次の機会に譲りましょう。とにかく多けりゃ良いってものではないのです。
ですが「空」の空間でも、浜田先生が弾いているピアノの音は、ソプラノとアルトでは距離が違うから、実は0.02秒くらいはアルトが遅く聞こえている…ということは理解しておいてください。
今日、集まったメンバーは人数はマーラーには遠く及びませんが、声の質は最良です。そして互いに聞き合う、互いに合わせようとする、そういう合唱の一番大切な部分が身に付いています。合唱団というチームの状態を考える時、人数が多いか少ないかは確かに大問題ではありますが、それは団費の値上げとか演奏会ノルマの問題とか、そういう要素もあり、こと音楽に関する限り人数の問題よりも上位にくるのは「一人一人が生きて歌っているか」ということです。
演奏会が終わったら、また上を目指したトレーニングを提供できるように準備をしておきますね。

「北陸の子ども歌」は「加賀の子ども歌」75小節目からのアルトの音程が良くなりました。前回の湯山先生の練習で、作曲者の目の前で鍵盤ハーモニカで補助した部分です。不思議なほどピタッとはまっていました。集中して練習に取り組んだ成果です。そう言えば今日は1回も鍵盤ハーモニカで音を補助することはありませんでした。
「眠らせ歌」と「加賀の子ども歌」はユックリしたテンポで情感を込めて歌います。楽譜には書かれていないリタルダンド(だんだん遅く)をかける部分がありますので、ここぞっていう時には指揮を見てくださいね。
ですが、かなり質の高い表現が出来上がりつつあります。嶋田先生の責任に負うところが大きいのですが、嶋田先生の表現構成のレベルアップより、みんなの表現構成のレベルアップの方が速いという意味があります。カンタンに言うと嶋田先生の研究不足です。だからというわけでもないでしょうが、嶋田先生が「こんなふうに歌ってください」と要求することを一発で実現して歌ってくれる「空」の子に、本当に感謝しています。
明日の練習では、そして本番では、CDの演奏(金沢放送児童合唱団)の真似でも影響でもない、合唱団「空」の「北陸の子ども歌」にしましょう。そうなることは、嶋田先生の中ではほとんど確信に近いものとなっています。力を貸してください。

明日の練習、どうかよろしくお願いいたします。

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