SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


聴衆パートを歌ってもらいました

この日のスタートは「ドミソの歌」を使うことにしました。
以前にも書いたことですが、その日に何を歌い、どのような練習をするか、もちろんある程度の予定は立てて会場に向かうのですが、決定するのは会場に入った瞬間です。そこにどんなメンバーが来てくれているか、パートのバランスは?全体の人数は? いろいろなことを考えて曲と練習内容を決めています。
行き当たりばったりのイイカゲンな方法だと言われればそのとおりなのですが、誰がいようと何人だろうと、予定された曲で予定された方法を実行する…という方向には疑問を感じます。今、その場にいる子のスキルを高めるために必要なことを柔軟に考えたい。一人一人を大切にするということはそういうことであり、これはもう教師としての哲学の問題です。
だから、曲と内容を決めるポイントは、集まったメンバーの力を伸ばすことと、いかにして楽しい練習オモシロイ時間にするか…ということになるわけです。
で、「ドミソの歌」です。
もちろん細かい点を繰り返しました。どこかと言うと146小節目からの「あなただけのいのちを…」のフレーズです。メロディーメーカー湯山先生の面目躍如たる魅力的な旋律。これを鼻歌を歌うように、気楽な開放的な気分で歌いたいですね。「次の歌詞は何だったかな」とか「次の音程はどうだったかな」などという技術的な思いを飛び越えた、ケロッとしたラク~な歌い方をしたいものです。
次の178小節目から始まる和音の確認もしました。4小節の間にどんな音の組み合わせになっているか、タテの重なりをよく見ると良いと思います。見ておくだけで今度練習する時に「ああ、なるほど」と和音の変化を味わうことができるからです。
280小節目からの音程も確認しました。ソプラノとメゾソプラノが先行しアルトが追いかける部分です。ここもケロッとしたラク~な歌い方になるようにしましょうね。
「ドミソの歌」を選んだもう一つの理由は、別室で「大空」の皆さんが練習していたからです。合唱団「大空」とは、父母会の有志で最近作られた合唱団で、とりあえず来週の老人ホーム慰問コンサートで数曲歌うために練習しています。その皆さんに「ドミソの歌」の聴衆パートを歌ってもらおうという作戦です。
聴衆パートを歌う人の練習は基本的には無し。少し説明した後にイキナリ本番です。これは11月の本番で実際に行われることですから、シュミレーションをやっておきたかった。主体である「空」のメンバーでさえ、やっと音程をとらえて曲の全体構造を理解したばかりなのですから、この時点で聴衆パートを入れるということは無謀この上もない話です。
ですが、面白いじゃないですか。ギチギチに緊張して「間違っちゃイケナイ」「失敗したらイケナイ」とばかり考えて練習するよりも、間違ったって失敗したって何だって良いから、みんなでバーンと歌う。この気分、大切ですよ。まずは面白く、楽しくなくっちゃ。
結果はステキな親子ハーモニーが生まれました。親子で歌えるってステキですね。合唱団「大空」は当然、11月26日の本番でも聴衆パートを歌ってくださることと思います。

後半は来週の老人ホーム慰問コンサートで歌う「春の小川」「茶摘み」「ふるさと」の合同練習です。これも楽しく歌うことができました。特に「ふるさと」の無伴奏バージョンは嶋田先生の独自の表現があるので、「大空」の皆さんは大変だったと思いますが、よくついてきてくださいました。
来週のコンサート、この日に旅行などで参加できなかった皆さんもよろしくお願いします。

続いて「空と樹海と湖と」のソロを練習しました。「光る空と…」から始まるソロと、例の「いのちのかなしみを…」の大きいソロです。
ソロはソリストに任せておけばよい…という考え方があるとすれば、それは絶対に間違っています。ソロパートを含めて、全員が全てのパートを知っていることが生きた音楽を生み出します。知っていることと完全に歌えることとは違います。アルトのパートを完全に歌うことは最終的にはアルトのメンバーに任せましょう。しかし、ソプラノやメゾソプラノのメンバーもアルトのんパートを知っていることは必要で、これはどのパートも同じことです。ソロパートだって同様。
なぜかというと、自分が歌っている時に相手がどのように歌っているかを知っていることは、自分のパートを自在に歌うために必要なことだからです。おっと、このことは以前にも書きましたね。
で、ソロパートを使って一人一人に歌ってもらう時間を取りました。この時間はソリストを決めるためではなく、一人一人の歌唱力を高めるための時間です。だから使う曲は別に「いのちのかなしみを…」でなくても何でも良いのです。だから途中でナポリ民謡「オーソレミオ」の一節を歌ってもらいました。驚いたことに「いのちのかなしみを…」より「オーソレミオ」の方が良い響きで歌える子が多く、これは先生にとっても意外な発見でした。いろいろやってみることって大切ですねぇ。
この日に使ったのは「空と樹海と湖と」のソロですが、「駿河のうた」には全ての曲に大きいソロがあります。小さいソロはもっといっぱいあります。一度数えてみてくださいよ。さらに「北陸の子ども歌」にも大きいソロがあり、「ドミソの歌」にも凄いソロがあります。
うぉ~、どうやってソリストを決めれば良いのでしょうかねぇ。
一人一人の歌唱力を高めることを考えるのは楽しいですが、実際に歌うソロのことを考えるのは大変です。ソロソロ頭が痛くなってきたので、今日はこのへんでオシマイ。
みなさん、来週もヨロシクね。

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