SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


予定を超える練習をさせてくれる子どもたち
良いお年をお迎えください

24日(土)。平成28年の最後の練習となります。前回のノートの終わりに「絶対に楽しい練習にするぞ」と書いたのは本気でありまして、何をどのように練習するか一週間ずっと考えていました。

まずは基本となる発声練習です。フェールマミのグランドピアノが使えますから、ピアノの弦を声で鳴らすという基本中の基本練習をすることができました。

ですが工夫があります。以前は単音をポーンと鳴らして、その音を出す方法でしたが、今回は「ドミソ」「ファラド」「ソシレ」「ドミソ」という和音を歌ってピアノを鳴らすという方法を取りました。「ドミソ、ファラド、ソシレ、ドミソ」という音型は、言うまでもなく湯山先生の「ドミソの歌」の骨格となるフレーズです。発声練習でピアノを鳴らすトレーニングがそのまま「ドミソの歌」に直結する効率を考えていました。

この効率は頭の中で考えていたもので、どのような効果を生み出すか確信を持っていたわけではありません。ですが、思った以上の効果を上げたと思います。

第一に、ピアノを声で鳴らすという練習を初めてやったというメンバーが多かったので新鮮な練習になったということ。

第二に、単音で声を出すよりも、3つの音を出して和音でチャレンジする方がピアノがよく鳴るということ。これは嶋田先生にとっても新しい発見でした。小学生低学年の子もピアノを鳴らすことができて、良い経験になったことと思います。

次に倍音。以前に書きましたが、「聞こえるような気がする」と言う子を「メッチャクチャ倍音が鳴ってるぅ~」と言える子にしたい。ごく短い時間でしたが「ぜんぜん分からない」「ぜんぜん聞こえない」と言っていた中学生を「あっ、聞こえたように思います」というところまでもっていくことができたことは嬉しい成果でした。

来年は、倍音について「メッチャクチャ倍音が鳴ってる」と言う子を育むために、とりあえず二つの秘策を用意しています。その秘策とは…。それはヒミツ。お楽しみに。

この練習に約40分ほどかけた後、「ドミソの歌」の音取りを開始しました。この時点での予定は半分くらい音取りできればOKで、休憩を挟んで後半は「うなぎの子守唄」か「白い雲」あたりを考えていました。

ところが進む進む。全員で全部のパートを歌ってからハーモニーを作るという時間のかかる方法ですが、1回歌えばほぼ音取りができるというレベルなので、どんどん次へ進みます。飴をなめるために休憩にしたのが11時10分ですが、そのまま続ければ最後まで通ってしまいそうな勢いでした。

休憩後、他の曲を練習する予定は中止して、そのまま「ドミソの歌」を続行します。そしてP34まで全363小節を歌い切ったのが11時50分。これ、驚異的な話ですよ。自分のパートだけ練習して他のパートと合わせるという練習ではない。全員がソプラノもメゾソプラノもアルトも全部歌って、しかもA,B、Cのグループに分けて全員が全てのパートを歌って3回ハーモニーを作るという9倍時間のかかる方法を取って、それで最後まで行ってしまうというのですから、その集中力と効率の良さは並大抵の話ではありません。

これは嶋田先生も予想していなかった。まさか今日一日で「ドミソの歌」が通ってしまうとは思ってもみないことでした。

最後の10分は自分の好きなパートで1回、最初から最後まで通すというまとめができました。あまりの練習効率の良さに終わった時は「意味がゼンゼン分からなかった」「何が何だか分からないうちに終わった」などという言葉が聞こえましたが、先生はそれで良いと思います。なぜなら、きちんとパートを決めて音楽を精密に作っていくという練習ではなく、今はソプラノもアルトもメゾソプラノもドンドン歌ってもらい、そして経験値を増やし、最終的には「全部やってみたけど私は○○のパートが一番向いているなぁ」と自分で判断できる子を育てたいというのが今の練習の眼目だからです。その意味では大大大成功の練習となりました。

それにしても、先生があらかじめ考えていた予定をはるかに超えた、質の高い練習をさせてくれるメンバーに感謝の気持ちでいっぱいです。平成28年の終わりに素晴らしい練習ができたことを感謝します。みんな、ありがとう。

午後は父母総会がありました。定期演奏会の報告や決算承認は滞りなく進みました。その後は、定期演奏会のチケットノルマのことや集客をいかに増やすか、あるいは黒字になった年間決算のお金についてどうするかなど、非常に建設的な話し合いが進みました。こういう父母会だからこそ、こういう子どもたちなのだなあ…と思いました。

総会の場でお願いしておこうと思って忘れてしまったことを2点記しておきます。

第一は、団員の増強についてです。団員獲得についてはチラシも大切HPも大切ですが、一番効果があるのは皆さんの口コミです。学校の友達にドンドン声をかけてもらえませんか?全員が一人ずつ友達を引っ張ってくることができたら、単純計算で団員が倍の人数になります。

第二は「ドミソの歌」の聴衆パートです。本番は、父母会とOBの総力を結集して聴衆パートを歌ってほしいのです。とりあえず湯山先生の練習日には(正月に久我山に行って決定させてきます)できるだけ多くの父母が集まって、聴衆パートを歌ってほしいのです。ヘタッピイで構いません。もともと客席の聴衆が、その場の客席での練習だけで歌えるように作曲されています。ぜひぜひ、ご参加をお願いいたします。

素晴らしい平成28年でした。生きている…という力を子どもたちと父母会の皆さんからいただきました。本当に感謝を申し上げます。

そして、さらに素晴らしい平成29年になるように力を尽くします。

皆さま、良いお年をお迎えください。

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