SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


小川の「わ」と小川はの「は」、発音はどちらも「WA」
でも、同じ「WA」ではありません

この日で平成27年度も終わりです。合唱団「空」創立20年の節目の年を,楽しく充実したものにすることができました。団員のみんな,父母のみなさま,そして先輩・卒団生のみんなにも,感謝を捧げたいと思います。
ありがとうございました。そして,これからもよろしくお願いいたします。

さて,この日も簡単で難しい練習をしました。「春の小川」を例に取って記録しておきます。
♪はるのおがわは さらさらいくよ♪
ここだけでも難しい点が2つあります。いや,歌うだけならカンタンなんですけどね。
なにも考えずにただ歌うだけだと,最初の2小節はこう聞こえます。
♪はあるのおがわわ♪
特に「WA」が2回連続して「WAWA」と聞こえるのが良くない。「は」の発音はWAなのですけれども,「小川」の「わ」と「小川は」の「は」は,同じWAではないのです。
接続詞の「は」(つまり2回目のWA)は丁寧にしなくてはなりません。丁寧に…というか,発音スピードをゆっくりにするのです。小さく歌う…という手もありますが,「小さくする以外の方法を使ってください」と指示しました。
言うのはカンタンですが,本当に「小川は」と聞こえるように歌うのはとても難しい。そして,これは「岸のスミレや」の「れや」,「姿やさしく」の「しく」,「咲けよ咲けよと」の「よと」にも同じ難しさがあります。
解決方法は「春の小川は」ではなく「春の小川~」のつもりで歌うということです。同様に,「岸のスミレや」ではなく「岸のスミレ~」,「姿やさしく」ではなく「姿やさし~」,「咲けよ咲けよと」ではなく「咲けよ咲けよ~」のつもりで歌う。接続詞を強調しないのがコツです。
次に,「春の」が「はあるの」と聞こえるのが良くない。同様に「岸の」が「きいしの」,「姿」が「すうがた」,「咲けよ」が「さあけよ」と聞こえないように歌うのです。
これらの力は,湯山先生の作品を歌うためには必要な力です。いえいえ,どんな曲を歌う時にも必要な力です。
「春の小川」は小学校3年生の教科書に載っている曲です。嶋田先生も,3年生の授業では,こんなことを要求することはありません。しかし,ここは合唱団「空」ですからね。ぜひとも本能的な力にしてくれると良いと思うのです。
このように,4月3日に歌う13曲を使って,基本的なトレーニングを重ねました。

後半は,先週の続きで「雲」です。終結部から練習しました。「雲のけもの」「けものの雲」は,どういう意味なのでしょう。
「けもの」とは「お化け」「水牛」「ワニ」「トラ」たちのことです。そして,それは死んでいった仲間のことを意味します。
つまり「雲のけもの」とは「雲が戦死した仲間の顔に見える」ということです。「けものの雲」とは「戦死した仲間たちの魂が雲に乗り移って帰ってきた」という意味です。
その情景と,その気持ちを,どのような声で歌うと良いでしょうか。これが第1のトレーニング。
そして,死者の魂が雲になって荒れ狂う「今」。「そこを今 神の様な虹が ひとすじ 静かな道を通じて」,死者たちは天へ昇っていく…。ハッとする美しさ。想像を拡げ,膨らませてくださいね。
全員が全てのパートを一通り歌って,最後は1回通しました。「雲」は難曲です。その曲を,先週と今週の2回,トータルでは1時間20分くらいの練習で通してしまうわけですから,ホント,たいしたものだと思います。

さて,そろそろ担当するパートを確定させたいと思います。この日,アンケートを出せなかった子たちは,希望のパートを嶋田先生にメールで知らせてくださるよう,総務の方からも連絡が入っていると思います。
28日(月)20時現在,22名からアンケートあるいはメールを受け取りました。あと8名かな。よろしくお願いしますね♪

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