SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


「小さい声」でも「豊かに響く声」であれば
ピアノは共鳴します
連絡事項あり

いよいよ3月になりました。桜のつぼみが少しずつ膨らんでいることが分かります。
この日はフェールマミでしたから、グランドピアノを使って「響き」の練習をしようと予定していました。けっこう人数が多かったので、効率的な練習ができたと思います。
ピアノの蓋を開け、解放弦にして声を出すとピアノの弦が共鳴します。ピアノが豊かに共鳴すれば、その時の声の「響き」が良かったということになり、痩せた声ではピアノは鳴りません。
一人ずつピアノに向かって声を出し、共鳴があるかどうか確かめていきます。ピアノを鳴らすことができない子は一人もいません。ただ、その鳴り方がポイントで、豊かな共鳴を生み出すことができる子もいれば、かろうじて鳴っているという子もいます。一人一人が豊かに鳴らすことができるように、トレーニングしていく必要があります。
この日も大切なことを確認しました。それは「大きい声」では必ずしもピアノは鳴らない…ということです。「小さい声」でも「豊かに響く声」であればピアノは鳴ります。これは、実際のピアノの鳴り方を聴きながら、納得することができたようです。
しかし、「大きい」とか「小さい」とかは分かりやすい。100とか50とかに数値化することはできませんが、大きい小さいなら耳の判断で可能です。ところが「響いている」か「響いていないか」は数値化はもちろんできませんし、耳の判断でも分かりにくい意味があります。
実際、そのことをこの紙面に、分かりやすく記述することは不可能でしょう。だから、ピアノの鳴り方を、その「ものさし」にしているということなのです。

曲の方は「かもめの歌」に初めて取り組みました。おそらくは第20回定期演奏会の曲目の中で、もっとも難易度が高いものと思っています。だからこそ、先送りではなく、早めに取り組むことにしました。これは、集まった顔ぶれを見た上での「よし、今日がチャンスだ」という判断です。
6小節目から15小節目、18小節目から31小節目というように分け、1フレーズずつ3声でハーモニーを作っていきます。もちろん全員が3声全てのパートを歌うことを原則としての方法です。これが可能となるのは、先生が1~2回歌えば音を取ってしまう力が育ちつつあるからで、この数か月力を入れてきたトレーニングが実を結びつつあるということを実感することができます。
34小節目~48小節目が3つ目のまとまり、49小節目~63小節目が4つ目のまとまり、66小節目~72小節目が5つ目のまとまり、73小節目~87小節目が6つ目のまとまりです。この6フレーズを全員が全部のパートを歌い、ソプラノ・メゾソプラノ・アルトそれぞれの立場になって3回ずつハモらせました。
それで時間切れになったのですが、これって楽譜を見れば分かりますけれども、ものすごいスピードです。自分のパートを歌うだけではなく、全てのパートを歌うこの内容が1時間半くらいで進んでしまうのは驚異的ですね。この文章を読んでくださっている外部の方で興味を持たれた方は、ぜひ一度見学にいらしてください。
尻切れトンボは悔しいですから、終結部の105小節目以降を最後にハモらせました。この部分は3つのパートではなく5つのパートに分かれます。もちろん全員が全部のパートを歌いました。
このような方法でも、けっこう正確にハーモニーができています。これが、各々が自分のパートを正式に決定させ、自分のパートに集中して磨き上げる段階になったら、どんなハーモニーが生まれるでしょう。そんな想像をすると楽しくなってしまいます。

(1) 今日の練習は楽しかったですか?   3・85ポイント
(2) 今日、「自分は上手になった」と思ったり「すこし進歩した」と感じたりしたことがありましたか?   3・14ポイント

今回は「かもめの歌」を使っての音取りとハーモニーづくりが中心でしたので、練習の終盤にはこの結果を予想していました。かなり技術的な全体練習となり、一人一人の良さを伸ばしたり弱点をカバーしたりする時間は取れませんでした。ですが、小学生から高校生までが全部のパートを一通り知っている状態を作っておくことがどのような効果をもたらすか、その成果はもうすこし未来に現れるはずです。

連絡です。次回の練習から、12月のセントレアコンサートで歌った湯山先生の「童謡」の楽譜と、1月の老人保健施設で歌った「唱歌」の楽譜を持ってきてください。

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