SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


小学生だって、たとえ30分でも、集中していれば
1回聴いただけで音の動きを掴んでしまうことは可能

この日,嶋田先生は学区内の幼稚園の運動会を小学校でやるということで出校せねばならず,大橋先生に指導をお願いしてありました。ところが16日の18時の時点の天気予報を見て,園長先生が18日(日)への延期を決断され,急遽,嶋田先生が練習できることとなりました。
ですが,18日の午前に予定されていたウイルあいちでの演奏会打合せも,午後に予定されていた東海メールクワイアーの練習もキャンセルせざるを得ないこととなり,特に打合せでは父母会の担当の皆さんにご迷惑をおかけしてしまいました。

さて,思いもかけず自分が練習できることとなった嶋田先生は,自転車を走らせながら考えていました。団歌「うたにつばさがあれば」の練習です。1度も歌ったことのない子のためにも,どうしてもやらなければなりません。
女声コーラス「青」との合同練習は10時からですから,9時30分からの30分が勝負です。
集まっている子を別室に呼んだのが9時25分。その時点で,初めて歌うという子が3人いました。時間はありませんが,全員でソプラノを歌い,全員でメゾソプラノを歌い,次にアルトを…という方法を取ります。
30分しか時間がないのに…と,自分でも思いましたが迷いません。この方法が,最も確実な方法なのです。自分のパートだけを知っている…という人は,何も知らないに等しい。相手が何をするか,他のパートがどう歌うのか全部知っている…という人が,初めてスタートラインに立つのです。時間がないのは集中力でカバーです。集中していれば小学生といえども,1回聴いただけで音の動きを掴んでしまうことは可能なはずです。

この方法の良い点は
①全員が全てを理解し,知っている
これがポイントなのですが,
②あっと思って分からなくなった時に,適当(適切に当てて)にハモることができる
そういう力を付けることが大きいのです。合唱をする上で最も必要な力であって,分かりやすく言えば「正しく間違える」ことができる力です。ソプラノの子が一瞬間違えてメゾソプラノを歌ったとしても,それは全体としてはプラスであり,間違えたことにはならないのです。
そして,もうひとつ。
③去年と歌うパートが変わっていても,すぐに歌うことができる
実際にいます。去年ソプラノを歌っていた子が,今年はメゾソプラノを担当している。そういう子にとって,普通の合唱団なら最初から音の取り直しになるでしょうが,「空」は去年も同じやり方をしていますから,最初からメゾソプラノの音を知っているわけです。パートが変わっても,そのパートの音を確認するだけですから,すごく効率が良い。
結論を言うと,30分で必要な作業をほぼ終えることができました。3つのパートを全員で歌い,その後,自分のパートで歌ってハーモニーを作る。鍵盤ハーモニカで各パートを1回ずつ補助しましたから,3回ハモらせて歌ったことになります。
その間,「あれ?『うたにつばさがあれば』って,こんなにきれいな響きだったっけ?」と,嶋田先生が新しい発見をした瞬間もありました。とても嬉しかったです。

女声コーラス「青」との合同練習も効率よく進めることができました。音程についての注文はほとんどありません。いかに豊かなイメージをもつか,歌詞をどのように読むかを主に投げかけました。音程とハーモニーが整ったら,あとは表現に魂を入れ,音楽に命を吹き込む作業になるのですが,それができました。感謝です。
湯山先生によると,「東北の讃歌」はその長大さのせいか,同一の合唱団が単独で全曲を演奏したことはないそうです。初演も4つの合唱団が1~2曲ずつ担当する変則的な形を取っています。
今回の演奏会は,「東北の讃歌」を同一のメンバーが6曲全てを歌い上げる,初めての演奏になるわけです。しかも湯山先生にとっても初演以来,37年ぶり2回目の指揮。
現状に満足せず,もっともっと表現を練り上げていきましょう。

ですが,来週24日(土)は「チコタン」に全力を投入します。あと,「うたにつばさがあれば」とタンブリンの練習。
その後は31日・11月1日と湯山先生の練習になりますから,来週が勝負です。合唱団「空」のみなさんの鋭意努力に期待します。

Comments are closed.