SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


跳び跳ねるような元気さや
ハチャメチャに崩した破壊的な表現
苦手克服のアプローチは続く

たいへん嬉しいことに、この日は新入団員がありました。先週も書きましたが、この子が不安なく定期演奏会のステージに立てるよう、嶋田先生は全力を尽くします。

今、最も不安な曲は、「東北の讃歌」でもなければ「フォスター名曲集」でもありません。それは「チコタン」です。
前半4曲は、とにかく生き生きと、元気よく歌わなくてはなりません。3曲目の「ほっといてんか」も、内容は怒っている気持ちですが、叩きつけるような生命力が必要です。
「空」は中庸(ちゅうよう=かたよることなく、常に変わらないこと。過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま)を得た表現、柔らかなハーモニー、温かい声などはピカイチだと思いますが、跳び跳ねるような元気さや、ハチャメチャに崩した破壊的な表現は苦手です。
「夢見る人」のハミングなど、この世のものとは思えない美しいハーモニーを聴かせますが、「アヒルのスリッパ」の単純きわまりない「ガァ」の一言に非常に苦労しています。

この日は急遽、新入の子が早くみんなに追いつけるように…という嶋田先生の指導課題となったのですが、最も心配な「チコタン」から始めたのは、団員全体に蔓延する中庸を得た表現(それは良いことなのですよ。武器の一つです)を破壊するためのアプローチでもありました。
破壊するためには、音を良く分かっていなくてはなりません。で、細かく音程を確認しながら、ポイントのみを押さえてドンドン先に進みます。全曲を50分で終わりましたが、けっこう不安定な音程を修正することができて有意義な時間でした。浜田先生と恒川さんの指摘も的を得たもので、嶋田先生が軽く考えていた部分を鋭く補ってくれました。

次は「童謡」の9曲とアンコール2曲の確認。これも、「アヒルのスリッパ」の「ガァ」や「ゆきってながぐつすきだって」の「キュ」などを含めた、ちょっとした工夫・表現方法を生み出すための、いわば音程の確認だったのですが、その「ちょっとした工夫・表現方法」を実現するために最も大切なことは実はきわめてカンタンなことで、それは「自信をもって歌えるか」ということなのです。だから、音程を確認しておくことは、次のレベルの表現を生み出すための(回り道なようなのですが)一番確実な方法なのです。これに40分。

いやあ、2ステージ分とアンコールの合計16曲を一時間半で一気に終えてしまうとは、我ながら激しい練習でした。みんな、よくついてきてくれましたね。

休憩をはさんで、フォスターです。40分ほどしかなかったのですが、まがりなりにも5曲すべての音程確認をすることができました。

この日の練習は、悪い言い方をすれば音程の確認に終始したものだったのですが、9時30分から12時までの間に「東北の讃歌」を除く21曲に全て目を通したこととなりました。良い言い方をすれば、効率よく本番のシュミレーションをした…ということになりますか?(150分-休憩15分)÷21曲=1曲に6分20秒。よくもまぁ、ついてきてくれましたね。ありがとうです。

来週19日は女声合唱団「青」との合同リハーサルで「東北の讃歌」です。2週間で全ステージを看破(かんぱ=見やぶること。物事の真相や裏面を見抜くこと)できるわけです。先週書いた「調性による音程感覚」について集中練習します。
みなさん、力を貸してくださいね。

Comments are closed.