SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


相手や周りの思いを知ることが
ひとりひとりの合唱の力、人間の力を高める

来週は女声合唱団「青」との合同練習です。だから今日は「東北の讃歌」を確認して来週に備えておく…という手も考えられましたが、それでは先々週、先週、今日、来週と「東北の讃歌」が続くこととなり、他の曲が心配でした。そこで今日はフォスターです。ずいぶん久しぶりですね~。浜田先生には完全に音取りマシーンとなってもらい、ハーモニーの確認をしながら、不安な点を1つ1つクリアしていきました。

やった曲は「草競馬」以外の4曲です。内容は、徹底した音の確認と、英語の意味も少し説明しましたが、第一は音程の正確さと、それによって生まれるハーモニーの確認です。結果は上出来ですね。よくハモったと思います。今日、参加できなかった人は、CDを聴いておいてください。それで十分カバーできます。

今日に限らず、全員で全てのパートを歌い、その後に自分のパートを歌ってハーモニーを作る…という作業を繰り返しました。コンクールに出るために、課題曲と自由曲の2曲だけを作るのであるならば、考えられない方法です。時間がかかりますからね。でも、「空」の場合、曲を仕上げていくのと同時に、一人一人の力を伸ばすということを、並行して行っているわけです。パートごとに別々の部屋に別れて、自分のパートの音程をひたすら磨く…という作業は、手っ取り早いですけど、非常に硬質化した音楽を作り出します。なぜならば、他のパートが何をしようと我が道を行く…というソプラノなりアルトなりができるからです。

コンクールの場合、それぞれが自分の責任(つまり音程)を、互いに正確に全うすれば、結果として良いハーモニーが生まれますから、それで良いわけです。ミス無く歌ったチームの勝ち。コンクールとは、簡単に言えば、ミスの少なさの勝負です。

「空」の場合、力を伸ばす…という言葉を使いました。「力」とは何か…。それは、自分がこのように歌う時に、相手が何をしているかを知っているということです。

合唱に限らず、自分と友達とが何らかの営みを共有する時、相手の動き(思い、考え、行動etc.)を理解した上で、自分の動きが決まります。相手が何をしようが、相手がどう動こうが、私は私の道を行く…ってなことは、普通は考えられないことなのですけど、合唱の場合、それぞれが完全に自分の責任を全うすれば、完全な音楽ができちまうんです。だけど…それは非常に硬質化した音楽になる。

相手がこう歌っている。その時に自分はこう歌う。これを知っていること。それが合唱の「力」です。同時にそれは、人間の「力」でもあります。相手がこう思っている。だから自分はこう動く。これ、人間力ですよね。

コンクールの場合、小学校なら4年生以上、中学校も高校も3年ですから、3年間を考えれば良い。「空」の場合、長い子なら10年続くかもしれない。だから先生は、柔軟な音楽(柔軟な子)を目指します。相手の動きを全部知っている(全部のパートを上手に歌える、ではありません)子が理想です。ホントかしら…って思った人も、少なくともコンクールの場ではなく、50才まで合唱を続けてみれば、納得してもらえると思います。

それから、この話は、なぜ「空」では全部のパートを全員が歌うかということの対極として、コンクールを持ち出しただけのことで、コンクールを否定しているわけではありません。
嶋田先生だって大学生の時はコンクールを追求し、CBCコンクールで日本一も取ったのですが、その時に必要だった練習を踏まえて、今の「空」が追い求めるものとの微妙な違いを記しただけのことです。

来週は、女声合唱団「青」との合同練習。でも、初めて楽譜を見る子でも困らないような練習をしますから、気楽に参加してください。

一人でも多くの子の参加を望みます。

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