SORA NOTE

嶋田先生から空のみんなへ


中田幸子先生 徹底的に
「力を抜く」「体をゆるめる」「ノドを開く」

中田幸子先生をお迎えしての3回目の練習は、非常に充実した時間となりました。これまでの2回は「マリちゃんの歩いた夢」が中心の練習でしたので、今回は「童謡」からスタートです。ですが、曲の練習に入る前に、中田先生から直接に発声のトレーニングをいただきました。

中田喜直夫人であり合唱指揮者である幸子先生ですが、実は声楽家でもあります。幸子先生が師事された三宅春恵先生は、戦後の日本を代表するプリマドンナとして、テノールの藤原義江とともに一世を風靡された方です。その幸子先生の発声のポイントは、要するに「身体の脱力」すなわち体の力を抜くという点に尽きると言ってもいいでしょう。余分な力を抜いた体を自然に解き放ち、ノドも自然に開いて人間が本来もっている「真実の意味での自然な声」を引き出そうとするものです。嶋田先生にとっても大変に参考になりました。

さて、練習の内容ですが、徹底的に「力を抜く」「体をゆるめる」「ノドを開く」ということを実践するものでした。嶋田先生が楽譜に書き込んだメモによると、「力を抜いて」「体をゆるめて」という指示が、「春を歌おう」で5回、「さくら」で5回、「夏の思い出」で3回、「夕方のおかあさん」で4回、「さわると秋がさびしがる」で7回、「雪の降るまちを」で5回、「すばらしき自然とともに」で3回、合計で嶋田先生のメモだけでも32カ所にその注意が飛んだことになります。その後の「マリちゃんの歩いた夢」を加えると、おそらくは50回くらい、「力を抜く」「体をゆるめる」「ノドを開く」という注意が飛びました。これだけ繰り返されれば、小学生にだって「それは大切なことなんだ」というくらいのことは分かります。しかも、曲によっては一人一人に言葉を言わせたり、フレーズを発音させたりという念の入れようでしたから、未知の指導に遭遇した緊張感はともかくとして、今日の練習に参加したメンバーは本当に「得をした」と思います。

もうひとつ、「無声音」と「有声音」の問題がありました。これは「マリちゃんの歩いた夢」で顕著でした。P27上段「あさおきて」の「き」、P28下段「てをかざして」の「し」、P32上段「わたしはそして」の「し」など。これは、なかなか直らなかったので、中田先生は「どうしてもダメなら有声音でもいいわよ」と言ってくださいました。

で、午後の練習。中田先生は別の会場に移動されましたので、嶋田先生の練習です。あれほど直らなかったのに、10分ほどで全部直りました。なぜだろう…。ある意味での緊張感が解けた「常任指揮者」の気安さでしょうか。もう少し時間がかかるかなあ…と思っていた嶋田先生としては、拍子抜けというか、嬉しかったというか、「ちくしょー。それならばなぜ、あの時に直さなかったんだ」というか、複雑な気持ち。でも、嬉しかったというか、安心したというのが本音です。しかし、これは次回の練習で、克服できたとおりにやってくれないと意味がない。みんなの集中力に期待するほかありません。

続いて「蝶」。嶋田先生が予定していたとおりに練習ができました。拍手。よくできました。「空」の子のがんばりについて多くを記述する必要はありません。大変けっこうでした。特に「飛翔」に関しては、一人一人が自信を付けてくれたものと確信しています。

最後に「パフ」。最初は超ゆっくり。半音ずつ上げながら何回も繰り返していくうちに、だんだんテンポが速くなる。嶋田先生が「歌詞も伴奏も必要なし」と言っておいたのがどういう意味なのか、分かってもらえたと思います。この日は5回リピート、すなわち2音半上げただけですが、本番では最初の音を「ミ」「ド」ではなく「レ♭」「ラ♭」から始めて、8回繰り返す間に4音上げる…という手法をとります。繰り返していくうちに、会場にいるお客さんが自然にメロデイーを覚えて口ずさんで、合唱団と一体化していく…という形にしたい。そう、あの時の、愛・地球博でのイベントのように…。そのためにも、一人でも多くのメンバーの参加を期待します。お願いします。協力をよろしく。

そして、最後に、中田幸子先生は急遽、来週25日(土)の音楽プラザでの午前中通常練習に駆けつけてくださることになりました。嶋田先生がお願いしたわけではありません。中田先生自らが「練習に行きたい」とおっしゃったのです。そして、「子供たちはまだまだ伸びる可能性がある。その一助となれれば…」とも。で、「蝶」と「星とたんぽぽ」を聴いていただいて、アドバイスをいただく…という予定を組みました。横浜から新幹線で幸子先生が音楽プラザにいらっしゃいます。この日、遅刻していたら、あんた一体なにかんがえてるの?の世界ですよね。次回は勝負です。合唱団「空」の総力を結集したエネルギーをお願いします。

ほんとにホントに、お願いします。特に今日参加出来なかったメンバーの人たち、よろしくお願いします。

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